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2007年2月 8日 (木)

鳥(1)

                     鳥


                     1


     或る日、私は、夢を見た。それは、遠い昔、私が子供
    だった頃の記憶の夢である。
     或る晴れた日の朝、私は、窓の開いた部屋で、飼って
    居た鳥を籠(かご)から出した。子供だった私は、その白
    い文鳥が、飛び去るとは思わず籠から出し、手にのせて
    可愛がったのである。
     だが、その白い鳥は、私の手から飛び立った。そして、
    その開けられた窓から、春の青空へと、飛び去ったので
    あった。
     子供だった私は、小鳥が青空へ飛び去ったので、泣い
    た。その私を、母は慰め、小鳥は、いつか、戻って来るか
    ら、と私に言った。

     その日の出来事を、私は、夢に見たのだった。目が覚
    めた時、私は、何故、自分が、その遠い日の出来事を夢
    に見たのか、と不思議に思った。

                                 (続く)

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